伊達政宗 早く生まれていたら本当に天下が取れたのか?


日本史にまつわる文献や映像作品を愛する友人と歴史ネタ、特に戦国ものの談義をするときに「武田勝頼が長篠を避けてたら、武田は存続してたのかなー」とかみたいなタラレバ話で盛り上がるのはお決まりの展開ではないでしょうか?

004

今は亡き戦国の英雄たちにロマンを抱きながら仲間と上手い酒を酌み交わす……歴史ファンにとってまさしく至福の時ですね。しかし、そんなタラレバ話を妄想に留めるに飽き足らず、実際に豪語している人とはどうやら我々現代の人だけではないようで…というか、まさかの時代の当事者がそれやっちゃってます(笑)

「ワシがあと10年早く生まれてれば、天下を獲ってたわ!」
このセリフ・・・有名すぎですね!(笑)
そうです、奥州の独眼竜、伊達政宗の半ば強がり的な「俺は強いんだ、すごいんだ」宣言ですね。ふむ、なるほどなるほど・・・。それでは「本当に10年早く生まれてれば天下をとれた」のか、ちょっと考察してみようではありませんか。私も政宗好きなので、天下取ってほしい願望はありますが・・・どんな結論に落ち着くのか、実は調べながら考えながらその場の勢いで書いていきますので、実は我ながら全く分かりません!(笑)

main2

スポンサーリンク
>

さて、まず政宗の生年が1567年ですので10歳早めて1557年に生まれたことにしてみましょう。そうなると初陣も史実より10年早めて1571年。tizu-1570a1s政宗14歳の時になりますね。当時の中央政権といえば、織田信長が時代のボス的存在感を発揮して権力を確立し、いよいよ足利将軍に引導を渡そうかという時代です。当然、敵が将軍家となると、障壁も多く、全国に居並ぶ大名(武田、本願寺、毛利、畿内一円の敵対勢力)と独力で渡り合わねばならず、決して磐石とはいえない情勢でありました。なるほど、ここまで混沌としてると東北の一大名に過ぎない伊達氏も東北諸大名を悉く潰してゆけば中央に躍り出る機会はある!だがしかし……これで事は成り立つと思うのは少し早計が過ぎるでしょう。それは何故か?

政宗が天下を取るために南下することが容易ではないこと。それは当時の奥州、北関東は化け物クラスの英雄、豪傑の類いがウヨウヨいたから。

芦名盛氏まず仮に政宗が初陣とほぼ同時に天下統一の戦いを初めるとして最大の障壁となるのが、会津の芦名家でしょう。史実では1589年に芦名は一族の世代交代に大失敗をやらかして、それを政宗につけこまれて滅亡していますが、1570年代当時の芦名は当主、盛氏が優れた外交手腕を発揮し、近隣の田村、二本松、二階堂を従属させ、軍事力では奥州最強を誇りました。 更に天文の大乱以来の因縁、小高上州の相馬一族も強力な騎馬部隊を擁しており面倒な敵であることは明白。tizu-1573a1さらに芦名と相馬を後援する形で常陸の名門佐竹家が控えています。南に立ちはだかる彼らを倒すには同盟相手から援軍や後方支援を得ることですが、味方になりそうな中で最大勢力を誇ってた出羽の最上義光は一族間での抗争にのめり込み、決着した後も10年程、出羽統一の為に国内の豪族に軍を向けていましたから、当然、伊達を助ける余力はありません。

thS135V5FSよって、強硬策を用いて戦を仕掛けても強力な軍事力を持つ三者の前に屈する未来しかなかったのではないでしょうか?そもそも政宗の治世から遡ること2、30年前に曽祖父である植宗が伊達を中心とした大名間での婚姻政策を始めたので奥州諸大名はそのほとんどが何らかの縁戚関係にあることもあって、基本的に共存路線を歩んでいました。それが政宗の治世になっていきなり軍事行動を起こして縁戚関係にある大名を駆逐するとなると、息を潜めている葛西、大崎らの大名家、叔父の最上義光までもが政宗を危険分子とみなし出る杭を打っていた可能性の方が高いはずです。

2262023i

スポンサーリンク
>

もし、芦名や相馬と事を構えず同盟やら和睦やらで不可侵条約を結び、対北条路線の真っ只中にいた佐竹に加担(事実上の軍事介入)をしたとしても、関東を血の結束で固めていた北条を倒すことは不可能じゃないかと思いますね。この場合、東北の他の大名が政宗を援助する義理は無いわけですから。

171結局のところ、“史実通りに生まれたからこそ”政宗の活躍があったのだと思います。野心家で能力もあったのは間違いないのでしょう。10年早く生まれていたら、むしろ伊達家は飛躍できなかったのかもしれませんね。慶長遣欧使節の派遣など、当時としては国際感覚をもった数少ない人物だったと思います。政宗ファンの私個人としては天下を取り、世界と渡り合う政宗を見てみたいところではありますが。(笑)

というわけで例のフレーズを400年以上の時を経て、推察、考察、仮定してみました。やっぱりこういう歴史をネタにしたタラレバ話って面白いですね!この手の内容のシミュレーションゲームも存在しますが、結局予め定められたシステムの中でアクションしていかなければですから限界ありますし。やっぱり妄想に勝るシミュレーションはありませんね!

スポンサーリンク
>